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日本人と鉄道の出会い②

模型鉄道との出会い

日本で初めて走った鉄道は、艦船に積んで運ばれてきた模型であった。

幕末の嘉永6年(1853年)7月、ロシアのエフィム・プチャーチンが率いる4隻の軍艦が長崎に入港して

江戸幕府と開国の交渉を行った。

約半年におよぶ滞在期間中に何人かの日本人を艦上に招待して、蒸気車の模型の運転を展示した。

招待されたのは幕府の川路聖謨、佐賀鍋島藩の本島藤夫、

同じく飯島奇輔らで、彼らは藩に戻って藩主に報告した。

長崎に続いて、1854年、横浜で蒸気車の模型が走った。

これはペリーが2回目の日本訪問に際して大統領から将軍への献上品として持参したものである。

模型といえど機関車には機関士が乗って運転し、客車は6歳の子供なら客車の中に入れるかどうか、

という大きなものであった。

これを見て幕臣河田八之助が、客車の屋根にまたがれば乗れるのではないかと交渉の上、

乗車したというのが、日本の地で客車に「乗った」初の日本人である。

またこの模型を江川太郎左衛門も見物し、自らの手で運転したいと申し出て、運転を成功させている。

長崎での展示から2年後の安政2年(1855年)2月、佐賀藩のからくり儀右衛門の名で知られる田中久重が、

蒸気機関車の模型を完成させた。

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