国鉄の電化の進展
国鉄の主要幹線の電化は、1914年の東京駅開業に合わせて建設された東京駅 – 高島町駅間が最初です。
直流1,200 Vで電化された区間に、パンタグラフを装備した3両編成の大型電車を50両投入した、本格的なものでした。
電車はアメリカのゼネラル・エレクトリック社の電装品を使用し、
最高速度80 km/hの高速で走行しました(それまでの電車は、せいぜい最高50 km/h程度)。
当初初期故障が多発し、一旦蒸気運転で代行した時期があったが、
その後は安定して使用され、1930年代に大量進出する高速電車群のルーツとなりました。
次に電化されたのは東海道線の東京駅 – 国府津駅間(1925年)で、
長距離列車のため電車ではなく、電気機関車牽引の列車とされました。
電圧は1,500 Vに昇圧されたが、この電圧は現在のJRにも継承されています
(なおこの電圧を初めて採用したのは、1918年の大阪鉄道です)。
当時の日本では電気機関車の生産実績がほとんど無いため、
この区間の電化に際してはイギリス、アメリカ、ドイツ、スイスからの輸入機と、
日立製作所の自主開発機が採用されました。
輸入機としては、イギリス製のEF50形が有名ですが、
当初初期故障が多くこの機関車を安定して使用するための努力が
電気機関車に関する技術力向上に役立ったなどと言われました。
東海道線の輸送力強化の切り札として建設された丹那トンネルは難工事のために完成まで16年かかったが、
1934年に複線電化の長大トンネルとして完成しました。
上越線の清水トンネルは碓氷峠を通らずに首都圏から日本海側へ向かう線路として建設されました。
着工は丹那トンネルより遅かったが、完成は早く1931年に単線電化のトンネルとして開通しました。
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