夜中の線路で「保線」と呼ばれる工事作業が行われているのを見たことがありますか?
終電が過ぎてから始発までの4~5時間ほどで、決められた区間を保守点検します。
新幹線も在来線もこうした保守点検に支えられていますが、その線路は一般人が立ち入らないよう、全線が高架や盛り土の上に敷設されており、そうそう作業を見られるものではありません。
保線作業の一つである線路の下に敷かれた石の「道床(バラスト)」の役割をご存知ですか。
実は列車の荷重を路盤に広く分散させ、通過時にクッション性を持たせ乗り心地も左右する需要な役割を担っています。
昨今は、バラストの代わりにコンクリート板で支えるスラブ軌道も増えていますが、東海道新幹線は建設時に技術が確立されておらず、路線のほとんどは道床軌道となっています。
そして、道床に用いるバラストはレールと枕木を支え続け劣化していくので、定期的に交換するのですが、深夜の短時間で作業を終えねばなりません。
そこで活躍するのが「NBS」と呼ばれる新方式道床更換用保守用車です。
工事用重機のような黄色を思い浮かべるかも知れないですが、このNBSは鮮やかな青と黄色に塗られており、実に爽やかな印象です。
性能面から見ても、古いバラストを回収しながら、積載している新しいバラストを敷設できるので、作業効率は導入前より大幅に向上しています。
しかし、それでも一晩で作業できる距離は60mほどなので大変です。